話し合いでは何も決まらなかったのに、審判ではあっさり決まった婚姻費用。
財産分与はさらに泥沼で、最後は『離婚不成立』を選びました。
婚姻費用は審判へ
相手が婚姻費用の支払いを拒否し続けたため、調停委員の判断で自動的に審判へ移行しました。
審判とは、調停で合意できなかった場合に家庭裁判所が最終的な判断を下す手続きです。裁判官が提出された資料をもとに金額を決め、効力を持つ「審判書」として出されます。支払いが滞った場合には強制執行も可能です。
審判に移行すると、裁判所が書類を見て淡々と決定してくれるので金額もすんなり決まりました。
「最初からこれで決めてほしかった、今までの話し合いの時間はなんだったんだ」と正直思いましたが、あとで弁護士に聞いたところ、大体話し合いで解決できるので審判まで行くのは珍しいとのことでした。
実際に彼が婚姻費用を支払い始めたのは別居から1年以上経ってから。
決まってからは生真面目に毎月同じ日に同じ額支払ってくれました。
お金に執着している彼の性格を考えると「支払わされる」ことが悔しくてたまらなかっただろうなと思います。
財産分与と慰謝料の話へ
婚姻費用が決まった後は、次に財産分与と慰謝料の話に進みました。
私が返してほしいと考えていたのは、最低限「自分が支払ったもの」でした。
- 別居後に渡した現金(50万円)
- 出産前に購入した車の費用の一部(数百万円規模)
- 家の頭金として出した現金(100万円程度)※家は建てずに別居となりました
- 彼が受け取っていた児童手当(十数万円)
しかし彼の主張は全く逆で、これらを「なかったこと」にし、さらに「慰謝料を請求する」と言ってきたのです。
加えて、財産分与に必要な書類も一切提出せず、調停は全く進みませんでした。
さらに担当の調停委員が交代したのですが、その委員は彼の肩を持つような発言が多く、話し合いはますます難航しました。
弁護士からの提案
疲弊していた私は弁護士に相談。すると、
「別居期間が3〜5年あれば『婚姻関係は破綻している』と判断されやすくなる。だから今は無理に離婚成立を目指さず、婚姻費用だけ受け取り続けるのも一つの方法」
とアドバイスを受けました。
私自身も急いで離婚する理由はなかったため、次回までに書類を出さなければ「不成立で離婚せずに終わらせよう」と決めました。
相手の豹変
結局彼は書類提出をしなかったので、
私が「不成立で結構です」と伝えると、調停委員からそれを聞いた彼は態度を一変。
「次回までに必ず書類を出す」「慰謝料もいらない」と急に発言を変えてきました。
つまり、彼は「私が離婚を急いでいる」と思い込み、それを利用して有利に進めようとしていたのです。
のらりくらりとかわし続けていれば、私が折れて彼の条件を飲むと考えていたことが明らかになりました。
私の決断
財産分与については、本当に「自分が支払った分だけ返してほしい」だけでした。
しかしそれすら返さず、慰謝料まで請求し、婚姻費用の支払いを避けたかったのは彼の方。
その理不尽さに怒りが込み上げ、私は「不成立で結構です。これから3年間、嫌でも婚姻費用を払い続けてもらいます」と覚悟を決めました。
そして、長かった調停は不成立で終了。離婚は成立せずに終わりました。
振り返ってみると、ここで財産分与も含めて離婚を成立させてしまった方が、弁護士費用やその後の手続きを考えると負担は少なかったのかもしれません。結局その後、相手から離婚裁判を起こされ、さらに財産分与の調停をすることになり、弁護士費用はかなり高額になってしまいました。
まとめ
婚姻費用は審判でスムーズに決まりましたが、財産分与や慰謝料は相手の協力がなければ調停も進みません。
「無理に離婚を急ぐのではなく、自分にとって有利な形を取ることも大切だ」と実感しました。
当時の私は「離婚不成立でも婚姻費をもらい続けられるからいいか」と短絡的に考えていましたが、実際にはデメリットももちろんあります。
離婚不成立のメリット・デメリットについては、別記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
➡ 離婚不成立のデメリットとメリット|私の体験から学んだこと


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