突然の別居から弁護士相談、そして離婚調停へ──。
計画的に準備できなかった私は、生活費や児童手当、荷物の問題で大きな不利益を受けました。
この記事では、弁護士相談で得られた気づきや、実際の調停の流れ、そして私自身の失敗から学んだポイントをまとめています。
これから別居や離婚を考えている方に、少しでも役立つ情報になれば幸いです。
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弁護士との出会い
父の知り合いから弁護士を紹介していただき、面談することになりました。
面談前に、今までの出来事を文章にまとめたのですが、その過程で「自分がどれほどつらい状況にいたのか」を客観的に振り返ることができました。
まだ迷いはありましたが、この頃から「離婚するしかない」と気持ちが固まりつつありました。
面談では弁護士がとても気持ちに寄り添ってくださり、安心したのを覚えています。
別居と荷物問題
計画的な別居ではなかったため、子どものものも自分のものも家に置いたまま出てきてしまいました。
荷物を取りに戻りたいと伝えましたが、夫からは「家には入れない」と拒否されました。
弁護士に相談したところ、たとえ夫婦であっても無断で家に入ると住居侵入罪にあたる可能性があるため避けるべき、とのこと。相手と話し合いの上で許可を得て荷物を引き取る必要があるそうです。
住居侵入罪とは、正当な理由なく、人の住居や人の看守する邸宅、建造物等に侵入する犯罪です。この犯罪は刑法第130条に規定されており、住居の管理者の意思に反して立ち入ることが「侵入」に該当します。法定刑は3年以下の拘禁刑(懲役刑)または10万円以下の罰金です。
夫からは「リストアップすれば梱包して送る」と言われたため、弁護士に紹介された引越し業者に依頼し、彼の指定日に荷物を受け取ることになりました。
しかし家に入れなかったため、大切にしていたものや重要な書類は戻ってきませんでした。
この経験から「別居はできる限り計画的に行うべきだ」と痛感しました。
離婚調停の始まり
離れて半年ほど経った頃、もう一緒に暮らすことは不可能だと悟り、離婚調停と婚姻費用分担請求調停起こしました。
離婚調停(正式名称:夫婦関係調整調停)とは、家庭裁判所で裁判官や調停委員を介して、夫婦が離婚や条件について話し合う手続きです。
• 合意に達すれば「調停調書」が作成される
• 不成立なら裁判に移行する
• 相手と直接顔を合わせずに済むため、冷静に話しやすい
婚姻費用分担調停とは、夫婦のどちらかが、もう一方に「婚姻生活を維持するために必要な費用(婚姻費用)」の分担を求める際に、家庭裁判所に申し立てる手続きです。夫婦間での直接の話し合いで解決できない場合に利用され、調停委員が間に入って双方から事情を聞き取り、合意による解決を目指します。合意ができれば調停成立、まとまらなければ審判手続きに移行します。
調停は相手方の住む裁判所で行われるため、弁護士費用が高額になりがちです。
ただし現在はリモート調停も可能で、私も10回の調停のうち実際に出向いたのは2回だけでした。
1回の所要時間は約2時間。30分ごとの面談を4回行うイメージです。
私の話は30分以内で済みましたが、夫は毎回1時間以上話しており、調停時間が3時間を超えることもしばしばありました。
弁護士からは何度も時間厳守の注意喚起をし、調停委員にも伝えていましたが最後まで改善されませんでした。
調停での夫の主張
夫は「自分が出した条件をすべて呑めば離婚してもいい」と主張しました。
具体的には、
• 両親と同居しているから生活費はかからず、自分がお金を出す必要はない
• 妻(私)は浪費家で、自分のお金をすべて使ったので婚姻費用は払えない
• 家庭内暴力を受けて自殺まで考えたので慰謝料を請求する
調停委員は彼の言い分をそのまま伝える形だったため、彼と話しているようで苦痛もありました。
しかし弁護士が隣にいてくれたことでとても心強かったです。
裁判ではないため彼の主張は大きな意味を持ちませんでしたが、話し合いが進まず、調停の回数だけが増えていきました。
婚姻費用と児童手当の問題
別居してから、夫からは生活費を全くもらえませんでした。
さらに、生まれた時から児童手当も夫が全て受け取っていました。
離婚調停で決まった婚姻費用の支払い開始時期は「別居開始時」ではなく「調停申し立て時」からとされています。
そのため、別居から申し立てまでの半年間分はもらえなかったのです。
また、財産分与は「別居時点の財産」が基準となるため、別居後に渡した50万円は彼のものとなり、私には戻ってきませんでした。
ただ、不幸中の幸いだったのは、家計管理アプリを利用していたことです。
婚姻中のお金の流れを証拠として残せたので、嘘ばかりつく夫への反論材料になりました。
この経験から学んだことは、
• 別居をしたら早めに婚姻費用分担調停を申し立てる
• 別居前に 児童手当の受給口座を自分に変更しておく(原則は変更不可ですが、事情を話せば対応してくれる場合あり)
・財産分与の対象となるものをリスト化し、それぞれの根拠資料を集める。
ということでした。
学びと読者へのメッセージ
離婚を考える状況に直面したとき、感情の整理だけでなく「手続き的な準備」がとても大切です。
私は計画的に別居できなかったことで、生活費や児童手当、荷物の問題などで多くの不利益を受けました。
同じように苦しんでいる方には、どうか弁護士や専門機関に早めに相談してほしいと思います。
「まだ迷っている」という段階でも構いません。
相談することで、自分の状況を客観的に見つめ直すことができ、次の一歩につながります。
 
  
  
  
  

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