出産を経て、私は「家に帰れば夫婦関係が少しは良くなるのではないか」と信じていました。
しかし現実は違いました。夫は子どもが生まれても生活を変えず、私の心身のつらさを理解しようとしませんでした。
さらに衝突はエスカレートし、子どもをめぐって警察沙汰にまで発展してしまったのです。
家に帰る決意
そんなことがあっても、私は彼との関係を諦められませんでした。
「家に帰れば、この最悪な関係も少しは改善するのではないか」
「私のせいで、この子から父親を奪ってはいけない」
そう思い、私は家に帰ることを決意しました。
しかし夫は、私の帰宅に対して
「離婚するための準備でもしに来たのか」
と告げました。
子どもが生まれても、夫の生活スタイルは変わりませんでした。趣味、実家への帰省など…。平日も休日も、私と子どもは夫の視界に入らない存在のようでした。
少しは家にいて育児を手伝ってほしいとお願いすると、
・「結婚前は許してくれてたのに、これは結婚詐欺だ」
・「趣味ができないなら子どもなんてほしくなかった。
趣味がダメなら俺は何をして生きていけばいいんだ」
話し相手もいない中での子育ては想像以上に大変で、とにかく毎日泣いてばかりいました。さらに出産の日のことでも何度も口論になり、そのたびに夫は食器や私の携帯を投げたり、大事な書類を破ったりしました。部屋のドアを閉めて避けると、ドアの外から1時間以上「お前が悪い」と責め続けられました。
子どもをめぐる対立と警察沙汰
ある日、夫が実家に帰るからと「その間だけ実家に帰っていい」と言われました。実家では家族みんなが息子を可愛がってくれ、久々に心が休まる日々でした。
ところが2日後、夫が迎えに来たとき、どうしても身体が動かず「帰れない」と伝えました。すると夫は「話し合いたいから外に出てきて」と言い、外に出た瞬間に息子を奪い、車に乗せ急発進しようとしました。
慌てて車を叩いて止め、息子を抱き上げ母に預けましたが、夫は怒りに震える手でスマホを向け、
「車が傷ついたから修理代を払え。今からの会話はすべて証拠に撮る」
と言ってきました。
父が「今日は興奮しているようだから一度帰ってくれないか」と伝えると、夫は「彼女は息子を虐待している。虐待する母親を信頼できない。俺と一緒に帰らないなら警察に行く」と言い出しました。
埒が明かず「それなら一緒に警察へ行こう」と私が言うと、夫は急に狼狽。結局、父が運転して警察へ行くことになりました。
警察署で事情聴取を受ける中、私は「こんなことで警察の手を煩わせてしまった」と恥ずかしさでいっぱいでした。最終的に夫は帰され、我が家には形式的に警察が虐待の疑い確認に来ましたが、すぐに終了しました。
金銭面での圧力
その夜、夫からは新たな要求がありました。
「警察に行くといえば帰ると思ったのに、本当に行くなんて酷い」
「お前の通帳とカードは俺のものだから返せ」
私の通帳には自分が働いたお金しか入っていませんでした。そう伝えると今度は「おまえの口座の中身を全て今すぐ振り込め」と言われ、恐怖の中で振り込んでしまいました。今思えば後悔しかありません。
付き合っていた頃から、夫はお金に執着していました。
• 食事は彼の方が量を食べるのに完全割り勘
• 会いに来る交通費も折半
• 何かもらえば同額の物を要求
• 婚約指輪のお返しには全く同じ額の時計を求める
結婚後も変わらず、執拗に「離婚するなら養育費は払わない。子どもにも会わない。そのことを文章で了承しろ」と迫られました。
弁護士への相談
みかねた父からは「話し合いにならないから弁護士を入れるべきだ」と助言されました。私は「弁護士に相談すれば本当に離婚になってしまう」と思い、はじめは拒みました。
しかし父から「別れても別れなくてもいい。ただ一度相談してみよう」と言われ、私はついに弁護士に相談することを決意しました。
学び・読者へのメッセージ
この経験を通して私が学んだのは、「我慢すれば関係は良くなる」という幻想に縛られてはいけないということです。
相手を変えることはできません。自分や子どもを守れるのは、ほかならぬ自分自身でした。
もし今、同じように苦しんでいる方がいるなら、声を上げてほしいと思います。
家族や友人、そして弁護士や行政の相談窓口。あなたを支えてくれる場所は必ずあります。
孤独に耐え続ける必要はありません。
決断もしなくてもいいです。
どうか「相談する勇気」を持ってほしいと心から願っています。
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