「こんなに愛してくれる人はいない」――。
私は、彼からの激しい束縛を「愛の証拠」だと信じ込んでいました。
毎日数十件の着信、少しの遅刻でヒステリックになる彼。別れを切り出すたびに泣いて引き止める姿に、「自分が支えなければ」とまで思っていたのです。
そして、新卒で配属された大学病院の激務。命と向き合う過酷な日々は、私の心身をボロボロにしました。
精神的にも肉体的にも限界に達した時、彼からのプロポーズ。
その瞬間、私の頭に浮かんだのは「愛」ではなく、「ここから逃げられる」という安堵感でした。
しかし、過酷な現実から逃げるために選んだ結婚は、想像以上に冷酷なものでした。結婚と同時に愛情表現を失った夫、そして徐々に露呈する結婚生活の歪み。
この記事では、私が束縛を愛と誤解し、激務から逃避するために結婚という道を選び、その後にどんな後悔と直面したのかを包み隠さずお話しします。かつての私のように、恋愛や仕事で限界を感じている方にこそ、この失敗談が、立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。
結婚前の不安と葛藤
大学時代から付き合っていた彼とは、交際中から喧嘩が多くありました。
彼はとても疑い深く、少しでも連絡が遅れると「浮気ではないか」と何十回も着信やLINEを入れてきました。自分が優先されていないと感じると、怒ったり泣いたりする姿もよく見ました。
束縛が苦しくて何度も別れ話をしましたが、そのたびに彼は泣いて「別れたくない」と訴えました。私は「こんなに自分を好きになってくれる人はいないのでは」と思ってしまい、結局別れられませんでした。
当時はその強い束縛も「愛されている証拠」と感じてしまい、実際に彼は毎日のように熱心に愛情表現をしてくれました。そんな彼の姿に、幸せを感じることもあったのです。
プロポーズ
卒業後、私は大学病院の看護師として、彼は県外の大手企業に就職しました。
大学病院では難しい治療や病気を扱い、常に命と向き合う日々。少しのミスも許されないという緊張感が続いていました。また婦人科に配属された私は、若いお母さんが小さな子どもを残して亡くなる姿を何度も見ることになります。それは何度経験しても痛く、悲しい経験で、気持ちが疲弊するには充分でした。
仕事内容は過酷で、水分をとる時間すらなく膀胱炎を繰り返していました。「明日こそ辞めよう」と思いながらも、なんとか出勤を続けていました。精神的にも肉体的にも限界に近づいていた頃、彼からプロポーズを受けました。
その瞬間に浮かんだのは、「彼と一緒にいたい」という気持ちよりも、「ここから逃げられる」という安堵感でした。
あの時、結婚ではなく「転職」を選んでいたら…
過酷な仕事から逃げるために結婚を選ぶ前に、環境を変えるという選択肢があります。新卒看護師が激務から解放される方法をまとめた記事はこちらです。
結婚後の生活
結婚後、私は彼の住む県外へ引っ越しました。しかし彼は仕事が忙しく、さらに趣味の時間も多かったため、家にいることはあまりありませんでした。
寂しさを感じることもありましたが、「お互い自分の時間を大切にしよう」と割り切り、私も自由に過ごしていました。
最初は働かない時間を楽しんでいたものの、友達も家族も近くにいなかったので、すぐに物足りなさを感じ、近所で看護師として復職。
家事はすべて私が担っていましたが、「私がやるのは当然」という雰囲気もあり、不満を抱くことはありませんでした。小さな喧嘩や意見の食い違いはあったものの、表面上は問題なく結婚生活が続いていきました。
ただ、結婚して最も大きく変わったのは「愛情表現」でした。結婚前は毎日のように「好きだよ、結婚したい」と言ってくれていたのに、一緒に暮らし始めてからは全くなくなり、まるで私への興味が消えてしまったように感じたのです。
【失敗から学ぶ】後悔しない結婚相手選びのために知るべき3つの教訓
1. 👫 束縛と過剰な愛情表現を見分けるチェックリスト
【元の教訓】束縛=愛情 ではない
強い束縛や過剰な嫉妬は、「愛されている証拠」だと錯覚しやすいものですが、実際は相手の**「不安」や「依存心」**から来ています。結婚前に以下のサインがないか冷静にチェックしましょう。
- 独占欲のサイン: 連絡の頻度を指定したり、返信が遅れると感情的になったりする。あなたに自分の時間や交友関係を制限させようとする。
- 不安のサイン: 「自分にはあなたしかいない」と過度に依存し、あなたが離れることを極端に恐れる。自己肯定感が低く、あなたとの関係でそれを埋めようとする。
- 愛情表現の質: 物質的なものや言葉での「熱烈な愛情表現」の裏で、あなたの**「意思」や「感情」**を尊重しているか? 一方的な要求や支配を感じないか?
💡 行動アドバイス: 疑念を感じた時こそ、距離を置いてみる期間を設けましょう。その時の彼の反応(冷静な対話ができるか、それとも感情的に追及してくるか)で、愛情の「質」を見極めることができます。
2. 💪 自立した女性こそ陥りやすい「支えたい」という落とし穴
【元の教訓】自立している女性ほど要注意
経済的・精神的に自立している看護師のような女性は、「私が頑張ればこの未熟な彼を支えられる」「私が諦めれば丸く収まる」と考えがちです。しかし、この献身的な思い込みが、問題を長期化させ、彼をさらに依存させてしまう危険性があります。
- 依存を強化する行為: 喧嘩の度にあなたが折れる、彼の感情的な発散を全て受け止める、彼の問題行動を「彼のせいではない」と庇う。
- 長期的なリスク: 結婚後、彼の精神的な成長は止まり、あなたは常に**「彼の感情の世話役」**としての役割を担わされることになり、疲弊してしまいます。
💡 行動アドバイス: 相手の未熟さや問題行動に直面したら、「自分が頑張る」のではなく、「相手自身に解決させる」という姿勢を貫きましょう。自分の心の限界を守ることが最も重要です。
3. 🔍 体験談を「自分ごと」にするための問いかけ
【元の教訓】体験談を“自分ごと”にする
私の体験談を読んで「少し似ているかも」と感じたなら、それはあなたの恋愛や結婚を見直す大切なチャンスかもしれません。以下の問いかけを、ぜひ自分自身にしてみてください。
- 「逃げたい」という感覚はなかったか?: 忙しい仕事からの逃避、周囲の期待からの逃避など、「彼と一緒にいたい」という純粋な気持ち以外の**「逃げ場」**として結婚を選ぼうとしていないか?
- 「私らしくいられるか」?: 結婚後の生活を想像したとき、彼にとって都合の良い自分ではなく、「ありのままの自分」が尊重され、安心して過ごせるイメージが持てるか?
- 「愛情表現の総量」だけに囚われていないか?: 愛情の「量」ではなく、「信頼、尊敬、対等な関係」という「質」が満たされているか?
失敗する前に知ってほしい。第三者の目で相手を見極める方法
私のように「束縛を愛と誤解」しないために、客観的に結婚相手を選べる婚活の方法をまとめました。失敗しないための具体的な相手選びのチェック項目はこちらです。
※次の記事では、妊娠・出産後に起きた具体的なトラブルや里帰り中の体験談を詳しくお話しします。





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