婚姻費用と養育費の違い・計算方法|体験談つきで解説

離婚・法律

「婚姻費用と養育費ってどう違うの?」
「どうやって金額が決まるの?」

離婚を考え始めたとき、私も最初は全く分からず混乱しました。
ここでは、実際に私が経験した調停でのやりとりを交えながら、婚姻費用と養育費の違いや計算方法をまとめます。


婚姻費用とは?

婚姻費用とは、別居中の夫婦や婚姻関係が続く間の生活費の分担金です。生活費や子どもの教育費、住居費などが含まれます。

特徴

  • 別居中でも婚姻関係が続く間に支払われる
  • 支払い開始は申立てをした月から遡って認められることが多い
  • 調停や裁判では、双方の収入や生活状況をもとに算定される

体験談

調停で婚姻費用を請求したとき、夫はなかなか収入がわかる資料を提出しませんでした。そこで弁護士が「提出しなければ会社への開示請求も検討します」と伝えたところ、ようやく提出されたのです。会社に開示請求が行われれば、離婚調停中であることが職場に知られてしまうため、夫も慌てて対応したのだと思います。

必要な資料が揃えば、算定表を使っておおよその金額を把握できるので安心です。
実際の調停では、夫が細かく金額を値切ろうとする場面もありました。審判で婚姻費用が決まった後も、数百円だけでも安くしようと値切ってきたのです。最終的にその程度ならと私も了承しましたが、「私たちには一銭も払いたくないのだな」と痛感しました。


養育費とは?

養育費とは、離婚後に子どもを育てる親に支払う生活費や教育費です。離婚後の子どもの健やかな成長を支えるために必要です。

特徴

  • 支払いは離婚成立後から開始
  • 金額は子どもの年齢や親の収入、生活状況に応じて算定
  • 期間は原則として子どもが成人するまで(高校卒業まで18歳末、進学で20歳まで延長可)

体験談

養育費は離婚裁判で決定しました。裁判で決まった場合、判決が確定すれば公正証書がなくても強制執行可能です。
支払いが滞った場合は、給与差押えや預金口座の差押えなどの手続きを裁判所に申し立てられます。
養育費は支払われなくなるケースも多く、特に、協議離婚で口約束だけの場合は、支払いが滞ると回収が難しくなることもあります。金額が決まったら、文書化しておくと安心です。


婚姻費用と養育費の違い(一般例)

項目婚姻費用養育費
支払い開始申立てをした月から(別居中)離婚成立後
支払い期間別居中・婚姻関係が続く間子どもが成人(高校卒業まで18歳末、進学で20歳まで延長可)
対象夫婦の生活費・子どもの生活費子どもの生活費・教育費
金額算定基準双方の収入や生活状況親の収入・子どもの年齢・生活状況
強制執行公正証書や調停調書に認諾文言がある場合可能公正証書や調停調書に認諾文言がある場合可能

一般的な算定例

計算方法(算定表・一般例)

算定表は、夫婦の収入や子どもの人数・年齢に応じて金額が決まります。

一般例(目安)
• 夫の年収:約600万円
• 妻の年収:約300万円
• 子ども:未就学児1人

この条件の場合の目安金額は:
• 婚姻費用:月8〜10万円程度
• 養育費:月5〜7万円程度


まとめ

  • 婚姻費用:別居中の生活費、婚姻関係が続く間に支払われる
  • 養育費:離婚後の子どもの生活費・教育費、原則成人まで支払われる
  • 算定表:収入や子どもの人数・年齢に応じて目安を確認可能
  • 強制執行:調停や裁判で決まれば可能。協議離婚の場合は公正証書化が安心
  • 注意:養育費は支払いが滞るケースも多いため、金額を決めた後も文書化しておくことが大切

読者へのアドバイス

  • 別居前に源泉徴収票や年収資料を準備しておく
  • 算定表で金額の目安を把握してから調停や裁判に臨む
  • 支払いが滞る場合に備え、公正証書や調停調書(謄本)を活用する

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