長年の月経困難症やひどい生理痛に悩んでいませんか?「ミレーナ」は月経困難症や避妊に効果的な選択肢ですが、「装着は痛いの?」「費用は高額?」といった不安も多いはず。
この記事では、実際にミレーナを装着し、半年が経過した私自身のリアルな体験を全て公開します。病院選びから必須の検査、痛みを乗り越えるための麻酔や鎮痛剤の具体的な戦略、そして装着後の不正出血やPMSへの影響まで、詳しくレポート。
装着費用は約1.7万円(保険適用)で、生理痛から解放された私が経験したメリットとデメリットを参考に、あなたがミレーナを選ぶべきか判断するための一助となれば幸いです。
🚨 月の半分以上を奪う、PMSと月経困難症の深刻な実態
私は出産後からPMS(月経前症候群)と月経困難症に激しく悩まされていました。生理前から生理中にかけて(なんと月の半分以上!)、「生きているのが辛い」と思うほど心身ともに不調でした。
特に30代は仕事も子育ても忙しく、ストレスが重なり症状は深刻化します。
強い倦怠感で動けない原因がPMSや月経困難症だと、「甘えている」「我慢が足りない」となかなか周りに理解されないのも本当に辛かったです。
😫 私の主な症状
- 月経困難症(身体の痛みと不調)
- 痛み止めを飲まないと日常生活に支障が生じるほどの下腹部痛。
- 下痢・嘔吐(この症状が一番辛く、生理中は何度も下痢と嘔吐を繰り返していました)
- 頭痛、肩こり、腰痛、倦怠感など。
- PMSの症状
- 普段気にならないことでもイライラし、家族に八つ当たりしてしまう。自己否定感が強くなる。
- 倦怠感、むくみ、過食(甘いものへの欲求)など
- 月経随伴性鼻炎
- 生理前〜生理中に鼻水・鼻づまり・くしゃみが出る。これはホルモン(プロゲステロン)の変動で粘膜がむくみ、アレルギー反応が出やすくなるためで、鼻づまりで夜眠れないこともありました。(私のように症状がひどい場合は、婦人科や耳鼻科で生理周期に合わせた薬の調整を相談してみてください。)
📌 そもそもミレーナ(IUS)って何?
ミレーナとは、子宮の中に留置するT字型の小さな器具で、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を持続的に放出します。主に避妊目的で使用されますが、月経困難症や過多月経の治療にも保険適用されており、最長5年間効果が持続します。
🧪 看護師が解説:ミレーナとピルの総合比較
| 比較項目 | ミレーナ(IUS) | 低用量ピル(LEP/OC) |
| 作用メカニズム | ホルモンが子宮の中にだけ効く(局所作用) | 飲み薬でホルモンが全身に作用する |
| 全身への影響 | 少ない。授乳中、高血圧、喫煙者にも比較的向いている。 | ある。血栓症リスクなどがあり、全身疾患や喫煙歴に注意が必要。 |
| 挿入・薬代の総額(5年間) | 【保険適用】約1万〜2万円 (初年度の診察・検査費除く) 【自費】約5.5万〜8万円 | 【保険適用】約3万〜9万円 (月500円〜1,500円×60ヶ月) 【自費】約12万〜18万円 (月2,000円〜3,000円×60ヶ月) |
| 持続期間 | 最長5年間 | 1ヶ月ごと(毎日服用が必要) |
| 最大のメリット | 5年間、毎日薬を飲む手間がゼロ。 | 生理周期を細かくコントロールできる。 |
💊 私がミレーナを選んだ理由
PMSと月経困難症の両方に効くのは低用量ピルだったため、最初はピルを検討しました。しかし、究極にずぼらな私にとって、最大の懸念点は薬を飲み忘れる可能性が高いことでした。
毎日決まった時間に薬を飲むという行為が、逆に新たなストレスとリスクになりかねません。
❌ ピルではなくミレーナに決めた「合理的な判断」
| 選択肢 | 期待効果 | 私にとっての最大の懸念点 |
| 低用量ピル | PMSと月経困難症の両方に効果あり | 飲み忘れによる効果の減弱と、新たなストレスの発生 |
| ミレーナ(IUS) | 月経困難症に強い効果 | PMSへの効果は未知数 |
この懸念を主治医に伝えたところ、アドバイスをいただきました。
主治医からのアドバイス:
「ミレーナの装着を続けると、薬の効果により装着1年後に約20%の人が無月経になります。それに伴い、PMSも気にならなくなる人もいますよ。」
「飲み忘れの手間がゼロ」であることに加え、「将来的にPMSの症状からも解放されるかもしれない」という未来への希望。この二つが決め手となり、ミレーナを選択しました。
📅 ミレーナ装着体験談:病院選びから麻酔の選択まで
🏥 病院選びと事前準備
ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)の装着には、まずミレーナを扱っている病院を探す必要があります。
- 病院の選定: 自宅近くに扱っている病院がなかったため、車で30分程度の婦人科を選びました。
- 決め手: 先生自身が出産後にミレーナを装着した経験をブログに書いていたことが信頼につながりました。
- 在庫の確認: 病院によっては在庫を抱えていない場合があるため、事前に電話で在庫の有無と装着が可能かを確認した方が良いかと思います。
✅ 装着前の必須検査
受診してすぐミレーナを装着できるわけではなく、ミレーナを装着するためには、初診時に以下の検査を受け、その結果に問題がないことが必要です。
| 検査項目 | 目的・必要性 |
| 超音波検査 | 子宮の状態などを確認するため |
| 性感染症検査 | クラミジア、淋菌などの感染がないか確認するため |
| 子宮頸がん検査 | 子宮頸部に異常がないか確認するため |
これらの検査結果に問題がなければ、次回の受診時に装着となります。
🗓️ 装着の最適なタイミング
ミレーナは生理中に挿入する必要があります。
- 時期: 通常は生理開始から3〜7日目の、経血量が減ってくる時期。
- 理由:
- 「妊娠していないこと」 を確実に確認するため。
- 「子宮口が開きやすく、挿入時の痛みや負担が少ない」 ため。
❌ 生理1日目を避けるべき理由
生理1日目は経血量が多すぎるため適していません。主な理由は以下の通りです。
- 脱出(排出)のリスクの増加:
- 経血量が最も多い時期に挿入すると、子宮の収縮や経血の流れによって、ミレーナが子宮から自然に脱落(排出)してしまう可能性が高くなります。
- 適切な子宮内膜の状態:
- 生理の終わりかけ(4~7日目)になると経血量が減少し、子宮内膜の状態も落ち着いてくるため、ミレーナが子宮内に適切に留まりやすくなります。
💡 ポイント: 生理中に予約を取る必要があるため、予約が取りやすい婦人科を選ぶことも重要です。
✏ 私の体験談
私は仕事の都合でどうしても生理2日目しか行けませんでしたが、内診で問題がなかったため、そのまま生理2日目に挿入してもらい、特にトラブルもありませんでした。
ミレーナは「生理中に受診する」という条件があるので、予定が立たず、タイミングが合わせづらいもの。私も同じように悩みましたが、まずは婦人科で状態を確認してもらい、問題なければ柔軟に対応してもらえる場合もあります。
💉 麻酔の選択と体験談
ミレーナ装着時の痛みには個人差がありますが、多くの場合、数分程度の痛みや不快感が伴います。
| 痛みの感じ方 | 特徴 |
| 痛みを感じにくい傾向 | 経腟分娩の経験がある人 |
| 痛みを感じやすい傾向 | 出産経験のない人、子宮が狭い人、帝王切開だった人 |
私が受診した婦人科では、装着時に局所麻酔(子宮頸管傍ブロック)を選択できました。
- 当初の判断: 私は帝王切開でしたが痛みに強いと判断し、当初は麻酔を断りました。
- 再考と結果: 生理2日目の装着時、先生の勧めで局所麻酔を行うことに。
- 麻酔の痛み: 局所麻酔自体(子宮頸管への注射)の痛みは感じませんでした。
- 装着時の痛み: 麻酔をしていても鈍痛があり、「子宮を引っ張る」際の痛みをはっきりと感じました。麻酔なしでは相当痛かっただろうと想像できたため、「本当にやっておいてよかった」と感じています。
📌 痛みが不安な方へのおすすめ
全く痛くないと言っている方もいましたが、私は麻酔をしてても痛みがあったため、痛みに弱い方は、事前に以下の麻酔方法が選択できるか病院に確認することをお勧めします。
- 局所麻酔(子宮頸管傍ブロック)
- 静脈麻酔(無痛ミレーナ):全く痛みを感じたくない方におすすめです。
💥 ミレーナ装着後の痛みと鎮痛剤の活用
🩺 装着直後の痛みの経過
ミレーナ挿入後の痛みは、個人差はありますが、挿入後数日間は生理痛のような下腹部痛や腰痛を感じることが一般的です。多くの場合、数日〜数週間で自然に落ち着いていきます。
私の場合、挿入直後から強烈な下腹部痛がありました。
💡 重要: 痛みは我慢せず、鎮痛剤を頼ることが大切です。痛みがピークになってから飲むと効きが悪くなるため、痛くなり始めたらなるべく早く服用することをお勧めします。
💊 鎮痛剤の選択と併用戦略
私は、挿入直後に持参していたロキソニンを服用しましたが、3時間後には再び強い下腹部痛に襲われました。ロキソニンはなるべく6時間空けた方がいいので、作用機序の異なるカロナール(500mg)を併用することで、痛みをコントロールしました。
ミレーナ装着後の痛みのコントロールには、作用機序の異なるロキソニン(NSAIDs)とカロナール(アセトアミノフェン)の併用が有効な場合があります。
| 鎮痛剤 | 作用機序 | 特徴 |
| カロナール (アセトアミノフェン) | 主に脳に作用し、痛みを抑える。 | 胃腸への負担が少ない。 |
| ロキソニン (NSAIDs) | 炎症や痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑える。 | 胃腸への負担がある。 |
🔄 併用するメリット
- 痛みの抑制効果の増強: 作用する仕組みが違うため、併用することで、より強い痛みの抑制効果が期待できます。
🗓️ 服用スケジュール(私の成功例)
私は以下の戦略で痛みゼロを目指しました。
- ロキソニンを定期(1日3回、6〜8時間以上の間隔)で内服する。
- それでも痛みが出たらカロナールを頓服(痛みが出たときに飲む)として追加する。
この併用戦略により、装着後の痛みはあまり感じることなく過ごすことができました。
痛みは2日目まで続き、3日目以降は痛み止めを内服しなくても痛みなく過ごすことができました。
痛みに関しても個人差があると思いますが、私はかなり痛かったので、痛みが出た場合は我慢せずに鎮痛剤を内服することをお勧めします。
⚠️ 鎮痛剤服用の注意点
| 鎮痛剤 | 1日の最大服用回数/量 | 服用間隔の目安 |
| ロキソニン | 1日3回まで | 6〜8時間以上 |
| カロナール | 1日4,000mgまで | 4〜6時間以上 |
- 必ず最大量を守る: 特にロキソニンは服用間隔をしっかり空ける必要があります。
- 医師・薬剤師への相談: 胃腸障害や肝障害がある方は、特に服用前に医師に相談してください。
- アルコール: アルコール摂取中は鎮痛剤の服用に注意が必要です。
- 長期連用: 痛みが続く場合でも、特にロキソニンの長期連用は避けてください。
🩸 ミレーナ装着後の症状と不正出血
ミレーナ装着後は、身体が子宮内の異物(ミレーナ)に慣れようとするため、いくつかの症状が現れることがあります。
1. 🗓️ 装着直後~数日間によく見られる症状
装着直後から数日間は、以下の症状が現れることが一般的です。
- 不正出血(少量の出血)
- 下腹部痛(生理痛のような痛み)
- 腰痛
- おりものの増加
👤 体験談: 私の場合、2週間程度だらだらと少量の不正出血が続きましたが、特に痛みなく過ごすことができました。
2. ⏳ 数ヶ月続く可能性のある症状(慣れるまでの期間)
ミレーナに含まれる黄体ホルモン(レボノルゲストレル)の影響で、子宮内膜が薄くなる過程で、装着後約3ヶ月程度は以下の症状が続く場合があります。これらの症状は、徐々に軽減していくことがほとんどです。
- 不正出血(少量のだらだらとした出血)
- 月経周期や月経日数の変化
- 腹痛
3. ⚠️ その他の副作用や可能性のある症状
まれに以下のような症状や副作用が起こる可能性があります。
- 体調や気分の変化: 気分の変化(イライラ、落ち込みなど)
- 卵巣嚢胞: (多くは自然に消失します)
- 子宮や卵管の炎症: 骨盤炎症性疾患 (PID)
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
- 子宮穿孔: ミレーナが子宮の壁に食い込むこと
🚨 緊急性の高い症状と受診の目安
症状が長く続く場合や悪化する場合は医療機関を受診してください。特に以下の症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
- 異常な痛みや強い下腹部痛
- 多量出血(生理の出血量より明らかに多い場合など)
- 高熱
- 嘔吐や吐き気
- 月経が来ない場合や通常と異なる身体の異常に気づいた場合(異所性妊娠の可能性も考慮し、速やかに医師に相談が必要です。)
💰 ミレーナ装着にかかった費用
ミレーナは、月経困難症や過多月経の治療目的で装着する場合、保険適用となります。
私が実際に装着時(初診・検査・装着)にかかった費用の内訳は以下の通りです。
| 項目 | 費用(3割負担の目安) | 備考 |
| 初診料・検査費用 | 4,850円 | 超音波、性感染症、子宮頸がん検査など |
| 局所麻酔料 | 1,000円 | 子宮頸管傍ブロック麻酔の費用 |
| ミレーナ装着費用 | 10,940円 | 装着処置料、ミレーナ本体代金など |
| 合計 | 16,790円 | ※別途、再診料や鎮痛剤代がかかる場合があります。 |
🩺 ミレーナ装着後の定期検診
ミレーナが正しく子宮内に留まり、その効果を持続させるためには、定期的な検診が非常に重要です。
- 初期の検診スケジュール:装着後は、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後という頻度で健診が必要です。
- その後の検診:1年後以降は、1年に1回以上の頻度で定期検診が必要です。
- 費用:定期検診の費用は、大体2,000円前後(3割負担)が目安となります。
✨ ミレーナ装着後の変化(半年経過)
装着から半年が経過し、以下の変化がありました。
- 月経困難症の改善: 月経量も少量になり、生理中に鎮痛剤を飲まずに過ごすことができており、月経困難症は劇的に改善しました。
- PMSへの影響: ミレーナはPMSには効果がなく、引き続き症状(イライラ、吐き気、便秘など)があります。
🌿 PMSへの対処法:漢方薬
ミレーナで改善しなかったPMS症状には、漢方薬を併用しています。
- 吐き気、便秘、下痢に:ツムラ大建中湯を服用し、改善しました。
- イライラに:現在、加味逍遙散に切り替えて内服中です。(今後の経過を更新予定)
今のところ、PMSへの効果はないため、「ピルにすべきだったか、ミレーナでよかったのか」という疑問は残っていますが、漢方薬との併用で症状をコントロールしようと思っています。
ミレーナかピルか迷ったら
「自分の体を大事にする」という選択こそが、人生で最も価値のある投資です。
日本は海外に比べて生理の悩みを我慢する女性が多いのが現実です。ミレーナやピルといった選択肢があることを知り、専門医に相談することが、ご自身にとって最適な選択を見つけるための第一歩です。
👉 ピルと迷ってる人は、オンライン診療で相談
📝 まとめ:ミレーナ装着体験のポイント
1. 装着までのプロセス
- 病院選び: ミレーナを扱っているか、事前に電話で在庫と装着の可否を確認しましょう。
- 必須検査: 装着前に、超音波、性感染症、子宮頸がんの検査が必須です。
- タイミング: 挿入は生理開始から3〜7日目の経血量が減った時期が最適です。
2. 痛みと対処法
- 麻酔の検討: 痛みに不安がある方は、局所麻酔(子宮頸管傍ブロック)や静脈麻酔(無痛ミレーナ)が選択できるか必ず確認しましょう。
- 鎮痛剤の活用: 装着後の下腹部痛は、ロキソニンとカロナールなど作用機序の異なる鎮痛剤を併用することで、効果的に痛みを抑えられました。
3. 装着後の変化(半年後)
- 大きな効果: 長年の悩みだった月経困難症は大幅に改善し、生理中に鎮痛剤を飲む必要がなくなりました。
- PMSへの課題: ミレーナ単体ではPMS(イライラ、吐き気など)への効果は限定的でした。漢方薬(大建中湯、加味逍遙散など)との併用が有効な対処法となっています。
最後に
ミレーナは、特に月経困難症に悩む方にとって、生活の質(QOL)を大きく向上させる選択肢です。不安な点は遠慮せず医師に相談し、ご自身の体に合った選択をすることが何よりも大切です。

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