「看護師って、どこで働いてもそんなに変わらないでしょ?」
以前の私は、そう思っていました。
でも実際は、
病棟 → 老健 → 訪問看護と働く場所を変えただけで、
収入も、生活も、心の余裕も、まったく別物でした。
このブログでは、
大学病院・老健・訪問看護を経験した私が、
実際の給与を公開しつつ、
それぞれの職場で感じたリアルなメリット・デメリットを正直に書いています。
「今の働き方、このままでいいのかな」
「夜勤を続けないと稼げないのかな」
そんなふうに悩んでいる看護師さんの、
ひとつの選択肢になれば嬉しいです。
💰 1. 大学病院(病棟・2年目)

夜勤と残業で稼ぐ「体力削り」の時代
額面:355,304円
手取り:309,434円
ボーナス:約100万円(年間)
※ 夜勤は月平均4〜5回
【生活のリアル】
当時は独身。住宅手当などの福利厚生は最強でしたが、夜勤と残業をしなければこの金額は正直維持できません。
常に疲労困憊で、休日はほぼ寝るだけ。
お金はあっても、使う体力と時間がない「仕事中心」の生活でした。
仕事内容としては、
・難しい症例
・専門性の高い疾患
・最新の医療
に触れる機会が多く、看護師としての基礎力・応用力を鍛えるには非常に良い環境です。
先輩たちは本当にかっこよく、心から尊敬できました。
辛いことも多かったですが、あの時の経験は今でも自分の土台になっていますし、今でも同期とは仲良しです。
一方で、
・激務
・残業や夜勤による体力消耗
があり、はっきりと向き不向きが分かれる職場だと感じました。
また大学病院は、一つのミスが命に直結する世界です。
常に高い緊張感の中で働くため、
・几帳面な性格
・マニュアルを正確に守れる
・ミスなく淡々と業務をこなせる
こうしたタイプの方には、とても向いている職場だと思います。
一方で私は、
プレッシャーの強さや緊張感に常に気を張り続ける働き方が合いませんでした。
「向いていない人が悪い」のではなく、単純に相性の問題だと感じています。
✔ 向上心が強い方
✔ 専門性を高めたい方
にはとてもおすすめです。
病院によっては、院内保育園が併設されていたり、夜間も子どもを預かってくれる体制が整っているところもあります。
そのため、子育てしながらでも働き続けやすい環境が用意されているのは、大きい病院ならではの強みだと感じました。
個人的には、
看護師免許を取得したら、一度は大きな病院で働いてみることをお勧めします。
💰 2. 老健(介護老人保健施設)

精神は安定、でも通帳を見て震えた時代
- 手取り:約193,000円
- ボーナス:約40万円(年間)
【生活のリアル】
大学病院があまりにも忙しかったため、
「次はもう少し落ち着いて働ける職場がいい」と思い、老健を選びました。
老健は急変が少なく、業務はルーティン中心。
身体的な負担はかなり減り、私は夜勤なしで勤務していました
(※夜勤をしている看護師さんもいました)。
ただ実際に働いてみると、
業務の進め方に非効率さを感じる場面が多く、
業務時間がとても長く感じるようになりました。
紙カルテでの記録、
バイタルもすべて手書き、
申し送りにも時間がかかり、
「記録や伝達に追われて一日が終わる」感覚が強かったです。
また、施設によって差はあると思いますが、
清潔管理や環境面で気になる点もあり、
大学病院で感染対策や清潔管理が徹底された環境で働いていた分、
そのギャップに強いストレスを感じました。
収入面でも大学病院時代と比べて大きくダウンし、
生活に余裕はなく、将来への不安を感じるようになりました。
一方で老健の良いところは、
医療処置が比較的少なく、業務に追われすぎないこと。
利用者さん一人ひとりと落ち着いて関われる環境で、
急変が少なく精神的なプレッシャーが小さい点は大きなメリットだと感じました。
そのため、
体力的に無理なく働きたい人
ブランク明けの看護師さん
には向いている職場だと思います。
ただ私はこの経験を通して、
「暇なところで働きたいわけではない」
「効率性や清潔さを重視した環境で働きたい」
という自分の価値観に気づきました。
決して老健が悪いわけではなく、
私には合わなかったというのが一番しっくりくる結論です。
💰 3. 訪問看護(正社員・現在)

【最高益】夜勤なしで病棟超えを達成!
- 額面:422,300円
- 手取り:353,807円
- ボーナス:約60万円(年間)
【生活のリアル】
老健で働く中で、
「暇すぎるのも違う」「でも病棟のような激務には戻りたくない」
そう感じるようになり、次に選んだのが訪問看護でした。
訪問看護は、
一人の利用者さんにじっくり向き合う時間があり、
アセスメントからケアまでを自分で考えて判断する場面が多い働き方です。
訪問看護にはオンコールはありますが、
病棟のような夜勤がないのも、私にとっては大きなメリットでした。
夜勤による生活リズムの乱れや体力消耗がなく、
それでも夜勤をしなくても一定の給与が確保できる点は、とても助かりました。
特に、
結婚・出産などのライフステージの変化を経験したあとでは、
「夜勤をしない=収入が大きく下がる」以外の選択肢があることは、
精神的にも大きかったです。
オンコールは決して楽ではありませんが、
毎月何回も夜勤に入る病棟時代と比べると、
身体への負担は圧倒的に少ないと感じています。
「夜勤はもう厳しい。
でも、看護師としてしっかり稼ぎたい」
そんな人にとって、訪問看護は現実的で続けやすい働き方だと思います。
病院のように次々と業務に追われることはありませんが、
その分、
観察力・判断力・責任感が強く求められます。
私はこの
「忙しすぎず、暇すぎず」
「自分の看護を発揮できる」
このバランスが、初めてしっくりきました。
また、記録や業務の効率化が進んでおり、
紙カルテ中心だった老健と比べると、
時間の使い方が圧倒的に合理的だと感じました。
利用者さんの生活の場に入るため、
病院とは違う緊張感はありますが、
「この人の人生に関われている」という実感はとても大きいです。
一方で、
一人での対応が不安な人
判断に強いプレッシャーを感じやすい人
には、最初はハードルが高いかもしれません。
それでも私にとって訪問看護は、
大学病院での経験
老健での気づき
そのすべてが活きる場所でした。
「どこで働くか」よりも、
「どんな看護がしたいか」
それを一番大切にできる働き方だと感じています。
📊 【一目でわかる】職場別・給与とQOLの比較表
| 職場 | 月手取り | 年間ボーナス | 働きやすさ | 結論 |
| 大学病院 | 約31万円 | 約100万円 | 疲労困憊 | お金は貯まるが余裕はない |
| 老健 | 約19万円 | 約40万円 | 超マッタリ | 経済的にかなり厳しい |
| 訪問看護 | 約35万円 | 約60万円 | ワークライフバランス◎ | 収入と自由のいいとこ取り |
なぜ訪問看護は給与が高めなのか?

訪問看護の給与が比較的高い理由は、
「楽だから」ではなく、「求められる責任が大きいから」だと感じています。
訪問看護では、
医師や他職種が常にそばにいる病院と違い、
看護師一人で判断しなければならない場面が多くあります。
体調変化の見極め、
緊急時の初期対応、
医師への報告・指示受けのタイミングなど、
その判断ひとつで、その後の経過が大きく変わることもある世界です。
また、
・オンコール対応
・24時間体制を支える責任
・利用者さんの「生活の場」に入る緊張感
こうした目に見えにくい負担も、
給与に反映されている部分だと感じています。
さらに、訪問看護は慢性的な人手不足の業界でもあります。
経験のある看護師を確保するために、
夜勤がなくても一定の給与水準を保っている事業所が多いのが現実です。
つまり、訪問看護の給与が高いのは、
判断力・責任の重さ・一人で対応する覚悟
これらが求められる働き方だから。
「夜勤がないのに給与がいい」というのは、
リスクと責任を背負う対価だと思っています。

私自身、訪問看護への転職を考えたとき、
「夜勤がないのに、なぜこんなに給与が高いんだろう?」
と正直不安に思っていました。
特別な資格や高度な技術が必要なのではないか、
ベテラン看護師しかできない世界なのでは?
そんなイメージを持っていたのも事実です。
ですが、実際に入職してみると、
ほとんどの人が訪問看護未経験でした。
病棟から直接転職してきた人、
ブランク明けの人、
育児と両立しながら働いている人など、
バックグラウンドは本当にさまざまです。
私の実感としては、
病棟経験が3年以上あれば、十分対応できると感じています。
もちろん最初は不安もありますし、
一人で判断する場面に戸惑うこともあります。
それでも、
・同行訪問
・すぐに相談できる体制
・オンコール時のサポート
こうした環境が整っていれば、少しずつ慣れていけます。
訪問看護は、
「特別な人だけの働き方」ではありません。
これまで積み重ねてきた病棟経験をそのまま活かせる場所です。
私自身、
「もっと早く選択肢として考えてもよかったかもしれない」
そう感じています。
3職種を経験してわかった、私なりの結論
病棟(大学病院)、老健、訪問看護。
3つの働き方を経験して強く感じたのは、
「どれが正解かではなく、どれが自分に合うか」がすべてだということです。
大学病院は、
給与・福利厚生・教育体制は本当に手厚く、
看護師としての基礎力や専門性を磨くには最高の環境でした。
一方で、夜勤や残業ありきの働き方で、
体力と気力をかなり削る世界でもあります。
老健は、
急変が少なく、身体的な負担は軽め。
利用者さんと落ち着いて関われる点は大きな魅力です。
ただ私にとっては、
業務の非効率さや清潔管理への価値観の違いがストレスになり、
「楽=自分に合う」ではないと気づかされた職場でした。
そして訪問看護。
夜勤はなく、オンコールはある。
でも、
夜勤をしなくても一定の収入が得られる
自分で考え、判断する看護ができる
このバランスが、今の私には一番合っていました。
忙しすぎず、暇すぎず。
病院ほど管理に縛られず、老健ほど単調でもない。
これまでの経験すべてが活かせる働き方だと感じています。
結局のところ、
「楽そう」「稼げそう」「有名だから」ではなく、
自分が何を大切にして働きたいかを明確にすることが、
転職で一番大事だと思います。
ライフステージが変われば、
合う職場も変わって当然。
私自身も、今後また選択が変わるかもしれません。
でも、
遠回りに見えたこれまでのキャリアは、すべて無駄ではなかった
そう胸を張って言えます。
おわりに:働き方を変えれば、人生の景色が変わる

「忙しすぎて子どもとの時間が取れない」
「暇すぎてやりがいを感じられない」
もしあなたが今、そんな悩みの中にいるなら、一度訪問看護を検討してみてください。
私にとって、訪問看護は「看護師としてのプライド」と「母親としての時間」、そして「十分な収入」をすべて満たしてくれた最高の選択でした。
転職について悩んでいる方は下記の記事も参考にしてみてください。



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