「家を買うのは浪費だ」「今の時代、賃貸の方が身軽でいい」 そんな言葉を耳にするたび、私は小さく溜息をついてしまいます。
私だって、もし快適に暮らせる賃貸が近くにあるのなら、迷わずそちらを選んでいました。重いローンを背負わずに済むなら、その方がずっと気楽だからです。
でも、私の目の前にある現実は、そんな一般論では片付けられないものでした。
- 外より寒い室内、バイクの音でかき消されるテレビの音。
- 5人家族を受け入れてくれる賃貸物件の不在。
- そして、看護師として知ってしまった「家の性能が健康に与える影響」。
4歳の息子、姉、そして両親。この5人で「明日もこの家で笑って過ごせるか?」と自問自答したとき、私が出した答えは「平屋を建てる」ということでした。
今回は、なぜ私が「賃貸派」から「新築派」へ転向したのか、その切実すぎる理由をお話しします。
今の家族構成と住環境
現在の家族構成は、
- 私(シングルマザー・看護師)
- 4歳の息子
- 姉
- 母
- 父
5人家族で、築30年以上の実家に暮らしています。
実家での暮らしの現実
実家は、正直に言うと「限界」に近い状態です。
- 冬はとにかく寒く、夏は異常に暑い
- 外より室内の方が寒い・暑いこともある
- トイレやお風呂は極寒
- 太い道路沿いで、車やバイクの音がうるさくテレビの音が聞こえない
- 建物を建てた工務店が潰れてしまって相談先がない
- 瓦が落ちる
- 洗面台の水漏れ
- あちこちが壊れ始めている
「我慢すれば住めないわけではない」 でも、子どもを育てる家として、そして親が年を重ねていく家としては、安心できる環境ではありませんでした。
リフォームという選択肢

最初はもちろん、リフォームを考えました。
ですが、
- 断熱
- 水回り
- 屋根や外壁
- 老朽化部分の補修
これらを本気でやろうとすると、思っていた以上にコストがかかる。 それでも「快適」と言えるレベルまで持っていくのは難しいと感じました。
じゃあ賃貸は?という現実
次に考えたのが賃貸です。
でも、ここで立ちはだかったのが田舎の賃貸事情でした。
- 一人暮らし向けのアパートは多い
- マンション自体が少なく、そもそも賃貸に出ない
- 戸建て賃貸はほとんど見つからない
「賃貸の方がいいよ」と言う人たちは、
- 一人暮らし
- 都会暮らしで選択肢が豊富
そんな環境にいる人が多いのではないか、と感じました。
子どもがいて、5人で暮らせる賃貸は、田舎では本当に少ない。 あったとしても、築30年以上だったり、実家とあまり変わらない状態だったりします。
家の性能がここまで進化していた
もう一つ、家を建てる決断を後押しした大きな理由があります。
それは、今の家の性能の良さを知ったことです。
正直に言うと、私は家についてほとんど知りませんでした。 実家は30年以上前の家で、「家ってこんなもの」「寒いのも暑いのも当たり前」だと思っていました。
ですが、住宅展示場やハウスメーカーの話を聞く中で、 この30年で家はここまで発展したのかと、衝撃を受けました。
- 高断熱・高気密で、冬でも家の中が暖かい
- 夏はエアコン1台で涼しく過ごせる
- ヒートショックのリスクが下がる
- 防音性が高く、外の車の音が気にならない
- 家の中の温度差が少なく、体への負担が小さい
「寒さ・暑さを我慢しながら暮らす必要は、もうないんだ」 そう思えたことは、私にとってとても大きな気づきでした。
看護師として働く中で、 ヒートショックや寒暖差が高齢者や子どもに与える影響を知っているからこそ、 家の性能=健康に直結すると強く感じました。
30年前の家と、今の家は、まったくの別物。
この事実を知ってしまった以上、 「戻れない」と感じたのも、正直な気持ちです。
これからの暮らしを考えて
これから先、
- 親に介護が必要になるかもしれない
- 子どもは小学校、中学校へと成長していく
その中で、 長く、安心して、快適に暮らせる住居が必要だと思いました。
これは「浪費」かもしれない
正直に言います。
この選択は、お金の面だけを見れば浪費だと思います。
でも、
- 毎日帰る場所
- 毎日眠る場所
- 子どもが育つ場所
- 親が年を取っていく場所
家は、私たち家族にとって生活の土台です。
本音を言えば
快適に暮らせる賃貸があったら、 私は間違いなく賃貸を選んでいました。
ローンを組まずに済むなら、その方が気持ちは楽です。
でも、 その選択肢が現実的に存在しなかった。
だから私は、平屋の家を建てることを決めました。
まとめ

正直に言います。お金の面だけを見れば、この選択は「浪費」と言われるかもしれません。
でも、家は単なる「箱」ではありません。 毎日帰る場所であり、眠る場所。子供がのびのびと育ち、親が穏やかに年を重ねていく、私たちの人生の「土台」そのものです。
看護師として働く中で、寒暖差が高齢者や子供の体に与える影響(ヒートショックのリスクなど)を嫌というほど見てきました。 30年前の家と、今の最新の家。その性能の差は、もはや「住み心地」のレベルではなく「健康寿命」に関わるレベルで違うのだと知ってしまった以上、もう以前の暮らしには戻れなかったのです。
「5人が笑って、静かにぐっすり眠れる場所」
これを作るために働くのなら、それは私にとって決して無駄な支出ではない。そう自分を納得させました。
……とはいえ。 「よーし、家を建てるぞ!」と決めてからが、本当の戦いの始まりでした。
「実家の土地があるから楽勝でしょ?」なんて思っていた時期が、私にもありました。 でも、いざ動き出してみると、土地のルール、資金計画、そしてハウスメーカー選び……。
スタート地点から、想像もしていなかった「紆余曲折」が待ち構えていたのです。

コメント