離婚不成立のデメリットとメリット|私の体験から学んだこと

離婚・法律

離婚を急がずに別居して婚姻費用だけ受け取る…そんな選択もあります。でも、離婚不成立には思わぬリスクもあることを知っていますか?

別居期間の目安と婚姻費用を受け取れる可能性

離婚に必要な別居期間は、当事者双方が合意すれば1年未満でも可能です。
一方、裁判で離婚を認めてもらうには、一般的に3年〜5年程度の別居が目安とされています。ただし、裁判所は別居の経緯や状況を総合的に判断するため、相手が不貞行為やDVをした「有責配偶者」であれば短期間でも離婚が認められる場合があります。逆に、自分が有責配偶者である場合には、10年以上の長期別居が必要になることもあります。

つまり、離婚が不成立になれば、その間(3年〜5年程度)は婚姻費用を受け取り続けられる可能性があるのです。

私の体験から

私は婚姻費用の審判で生活費を確保した後、財産分与や慰謝料の調停で疲弊し、最終的に「離婚不成立」という選択をしました。

当時は「養育費よりも婚姻費用の方が多くもらえるから」という理由だけで不成立を選んでしまいましたが、実際にはデメリットもあります。
だからこそ、皆さんには同じように迷ったとき、メリットだけでなくデメリットもしっかり考えたうえで判断してほしいと思います。

体験談の詳細はこちらの記事でまとめています。
👉 婚姻費用審判から財産分与の調停へ|離婚までの経緯⑥【体験談】

離婚不成立のデメリット

  1. 法律上は夫婦のまま→ 戸籍上も夫婦のため、気持ちが割り切れずモヤモヤが続きます。
  2. 再婚できない→ 新しい人生を進めたくても、婚姻関係が続いている間は再婚できません。
  3. 子どもや生活上の手続きで不便が生じる→ 離婚していないと親権は共同親権のまま。子どもの進学やパスポート申請、住宅手続きなどで「夫(妻)の同意」が必要になる場面があります。別居していても相手の協力を得なければ進まないことがあり、不便に感じます。
  4. あなたに万が一のことがあったとき→ 自動的にもう一方の親(夫)が親権を持つことになります。私は彼が子どもを育てられるとはとても思えなかったため、「私に何かあったら子どもはどうなるのか」と常に不安に感じ、正直なところ「自分が倒れるわけにはいかない」と強く思うほどの切迫感がありました。
  5. 扶養や相続の問題→ あなたが亡くなった場合、夫も法定相続人に。子どもの生活や相続分に相手が関与してしまう可能性があります。
  6. 弁護士費用など金銭的な負担→ 私の場合、財産分与を調停で決めずに不成立にしたため、その後に「離婚裁判」→「財産分与調停」と手続きが二重になりました。結果として弁護士費用が大きな負担になり、「あのとき財産分与まで決めて離婚しておけば…」と後悔した部分もあります。

離婚不成立のメリット

  1. 婚姻費用を請求できる→ 別居中でも生活費を確保できるのは大きな安心材料です。
  2. 慰謝料や財産分与の交渉材料になる→ 「離婚しない」という立場を取ることで、相手が譲歩するケースもあります。
  3. 子どもが小さい場合に配慮できる
  4. 「親が離婚している」と子どもに言わなくて済むという考え方もあります。
  5. 姓が変わらない→姓が変わらないため、各種手続きをしなくて済み、子どもも同じ名字で過ごせます。

振り返って思うこと

私は当時、「婚姻費用をもらえる」というメリットばかりに目を向けていました。
でも実際には、弁護士費用や手続きの負担などデメリットも多く、冷静に考えると、その場で離婚を成立させていた方が良かったのかもしれません。

最後に

離婚に正解はありません。
ただ、「不成立にする」という選択にも、想像以上のデメリットがあります。
私は彼の訳のわからない話を聞くのが苦痛で、デメリットを考えずに離婚不成立にしてしまいました。
私の体験が、これから判断をする方の参考になれば幸いです。

【体験談あり】離婚調停とは?流れと回数の目安|協議離婚・裁判との違いも解説

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