「投資を始めたいけど、どの国やファンドを選べばいいかわからない…」
私も最初は、 S&P500、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドのどれにするか、とても迷いました。やるからには利益を最大化したいけれど、損はしたくない──そんな矛盾した気持ちに正直に向き合う日々でした。
この記事では、私が実際に悩んだ経験をもとに、3つの代表的な投資信託の特徴や過去のリターン、長期積立シミュレーション、選び方まで詳しく解説します。迷いを減らして、自分に合った投資先を見つける参考にしてください。
投資初心者必見!3つの人気ファンドを徹底比較
1. eMAXIS Slim S&P500
- 対象市場:アメリカの大型株(S&P500指数に連動)
- 銘柄数:500社(アップル、マイクロソフト、アマゾンなど米国を代表する企業)
- 地域分散:ほぼアメリカのみ
- 特徴:
- アメリカの代表的な企業に集中投資
- アメリカ経済の成長を直接取り込める
- 世界全体の分散は効かない(米国の影響を強く受ける)
2. オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))
- 対象市場:世界中の株式(先進国+新興国)
- 銘柄数:約4,000~4,500銘柄(全世界の株式に広く分散)
- 地域分散:アメリカ約60%、日本約7%、その他先進国・新興国も含む
- 特徴:
- 世界全体の経済成長を取り込める
- 一つの国の影響を受けにくく、リスク分散効果が高い
- 成長率は米国中心のS&P500より少し穏やか
3. SBI・V・全米株式インデックス・ファンド(VTI連動型)
- 対象市場:アメリカ株式市場全体(大型~小型株までカバー)
- 銘柄数:約3,500銘柄(米国上場株ほぼ全部)
- 地域分散:米国のみ
- 特徴:
- 米国株全体の成長を取り込める(小型株の成長も含む)
- S&P500より銘柄数が多く分散効果もある
- 世界分散はできない
⚡まとめ表
| ファンド | 対象市場 | 銘柄数 | 地域分散 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 米国大型株 | 500 | 米国のみ | 米国トップ企業に集中、成長は米国次第 |
| オルカン | 世界株式(先進国+新興国) | 約4,000 | 世界 | 世界経済の成長を取り込む、リスク分散高い |
| SBI・V・全米株式 | 米国株式市場全体 | 約3,500 | 米国のみ | 米国全体に分散、小型株も含む、S&P500より分散効く |
📊 過去10年間のリターン比較(2025年9月末時点)
| ファンド名 | 10年リターン(年率) | 特徴 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 約24.94% | 米国の大型株500銘柄(S&P500指数)に連動。米国経済の成長を直接反映。 |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 約21.68% | 世界中の株式に分散投資。先進国と新興国を含む。 |
| SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 約22.37% | 米国全体の株式市場に投資。大型株から小型株まで幅広くカバー。 |
※ リターンは年率換算であり、過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
過去10年(特に2010年代〜2020年代前半)は、米国株が世界的に大きく成長した期間でした。そのため、S&P500、全米株式(VTI連動)、オルカンなどのリターンには大きな差は見られませんでした。
しかし、今後20年、30年と長期で見ると、国や地域ごとの経済成長の違いにより、リターンに差が出る可能性があります。
- 米国株の長期成長率が世界平均より高い
- 米国は過去50年間、世界平均より高い経済成長を維持。
- 米国株中心のS&P500や全米株式は長期的に見てオルカンより成長が期待できる。
- 世界分散によるリスク低減
- オルカンは米国以外の国にも投資しているので、米国が爆発的に伸びても全体のリターンはやや抑えられる。
- 長期では、米国中心に投資したほうがリターンは高くなる可能性があるが、短期の暴落リスクも大きい。
- 複利の影響
- 長期で運用すると、年率1〜2%の差でも複利で大きな金額差になる。
- 例えば、毎年100万円投資した場合:
- 年率7%で30年 → 約1億2,300万円
- 年率5%で30年 → 約7,900万円
→ 2%の差で、30年後には約4,400万円の差に!
🔹 ポイント
- 米国経済の成長を重視:eMAXIS Slim S&P500
- 世界経済の成長を取り込みたい:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 米国全体の市場に広く分散投資:SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
毎年40万円を積立
毎年40万円を積立、リターンは概算(S&P500:8%、全米株式:7.5%、オルカン:6.5%)でシミュレーションした場合。
| ファンド | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim S&P500 | 約580万円 | 約1,830万円 | 約4,530万円 |
| SBI・V・全米株式 | 約565万円 | 約1,730万円 | 約4,140万円 |
| オルカン | 約540万円 | 約1,550万円 | 約3,450万円 |
🔹 ポイント
- 10年では差はあまり目立たない
- 20年〜30年になると差が大きくなる
- S&P500が最も増え、オルカンは少し控えめ
- 複利効果で長期運用の差が顕著に
それぞれのメリットデメリット
| 項目 | オルカン(全世界株式) | S&P500・全米株式 |
|---|---|---|
| 投資範囲 | 世界中(先進国+新興国) | 米国株のみ(大型株や小型株含む) |
| 銘柄数 | 約4,000〜4,500銘柄 | S&P500:約500銘柄全米株式:約3,500銘柄 |
| メリット | – 世界に分散されているので精神的に安定- 米国株が下落しても影響が抑えられる- パニック売りのリスクが減る | – リターンがオルカンより高くなる可能性- 米国経済・中小企業の成長を取り込める |
| デメリット | – 米国株の成長が突出した場合、リターンはやや控えめ- 株式なのでリスクはある | – 米国経済や政治の影響を受けやすい- 下落時に精神的に売りたくなるリスクがある |
投資先の選び方(おすすめする人の視点)
- オルカン(全世界株式)
- 精神的に安定して投資を続けたい人に向いています。
世界中に分散されているため、米国株が下落しても影響が抑えられ、パニック売りのリスクが減ります。安心して長期投資をしたい人や、株価の変動で心が揺れやすい人におすすめです。
- 精神的に安定して投資を続けたい人に向いています。
- S&P500、SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- 成長重視でリターンを狙いたい人、特にアメリカの成長を信じられる人に向いています。
米国経済や中小企業の成長を取り込めるため、長期的に資産を大きく増やす可能性があります。ただし、米国経済や政治の影響を受けやすく、株価が下落したときに売りたくなる衝動に注意が必要です。
- 成長重視でリターンを狙いたい人、特にアメリカの成長を信じられる人に向いています。
私がSBI・V・全米株式を選んだ理由
私はアメリカの成長や中小企業の伸びにまだ期待しているので、しばらくはSBI・V・全米株式インデックス・ファンドを買い続けるつもりです。
ただ、過去にトランプ関税などのニュースが出たときは、「オルカンに切り替えようかな…」と本気で迷ったこともありました。投資を続けながら、心が揺れるのは正直なところです。
それでも手放したくなる気持ちが湧いたときは、他のYouTubeや記事で「今は売らずに持ち続けよう」と伝えている意見に触れ、自分を落ち着かせて、持ち続けるようにしています。こうして迷いながらも、米国株への投資を続けています。
まとめ
今回は、投資初心者に人気の3つのファンド、eMAXIS Slim S&P500、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドを比較しました。
それぞれに特徴があり、どれを選ぶかは「どんな目的で投資したいか」によって変わります。
ファンドの選び方の目安:
・アメリカ経済の成長を取り込みたいなら S&P500
・世界全体の成長を取り込みつつリスクを抑えたいなら オルカン
・米国株全体に幅広く投資して長期的に資産を増やしたいなら SBI・V・全米株式
投資で大切なのは、短期的な値動きに一喜一憂せず、長期でコツコツ積み立てること。
また、必ず余剰資金で無理なく運用することも忘れずに。
過去10年のリターンは大きな差はありませんでしたが、20年、30年と時間をかけて複利で運用すると違いはどんどん大きくなります。
焦らず、自分のペースで、安心して続けられる方法を選ぶのがポイントです。
投資は最初は不安かもしれませんが、少しずつ経験を積むことで「お金に働いてもらう感覚」が身についてきます。
まずは無理せず、少額からスタートしてみましょう。
初心者がやりがちな失敗
・短期の値動きで焦って売ってしまう
・余剰資金ではなく生活費を使って投資してしまう
・情報に振り回されて頻繁にファンドを変更してしまう
始める前に確認したいポイント
・毎月・毎年いくら積み立てられるかを確認する
・リスク許容度に合ったファンドを選ぶ
・長期運用の計画を立てる(最低10年以上を目安に)
・余剰資金で無理なく投資する


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